職業訓練と雇用保険(失業給付)



雇用保険法が施行された1975年を境に、失業保険という名称は廃止されていますが、現在でもしばしば「失業保険を1日幾らもらう」という言い方をします。

通常、一般の離職者が『失業保険をもらう』と言った場合、『雇用保険の「失業等給付」という制度上の枠組から、一般被保険者求職者給付の基本手当を受給する』ことを指します。

枠組としての「失業等給付」は幅広く、一般的な基本手当の他、就職促進給付(再就職手当、就業手当、常用就職支度手当、移転費、広域求職活動費)、国家資格の受験講座などによく適用されている教育訓練給付(在職者も対象)、そして雇用継続給付(高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付)もここに含まれます。

これらの合わせ技として、基本手当を受給しながら職業訓練校に通い、更に同時に教育訓練給付を活用して何らかの通信講座を受講するといったことも可能です。

なお、単に失業給付(“等”が入らない)と言った場合は、大きな枠組のことではなく、基本手当と同じ意味で用いることが多いようです。

さて失業給付(基本手当)を幾ら、どの程度の日数、受給できるのかについては、失業給付(基本手当)の金額失業給付金額を計算してみましょう!に簡単に記載しましたのでご参考下さい。

実際のところ、失業給付目当てに職業訓練を受ける人が後を絶たないぐらい、職業訓練を受けると受給環境には恵まれます。

【職業訓練受講中の失業給付受給環境(メリット)】
@自己都合で退職し3ヶ月間の給付制限がある場合でも、職業訓練受講開始と同時に給付制限が解除される。
根拠:雇用保険法33条
A職業訓練受講中に所定の給付日数に達してしまう場合、給付期間が延長され、訓練終了日まで基本手当が給付される(訓練延長給付。訓練期間は最大2年)。※但しハローワークから「受講指示」を受けている場合に限ります。「受講推薦」の場合、延長はありません。(なお、基金訓練の場合は「受講勧奨」になります)
根拠:雇用保険法24条、同施行令4条
B職業訓練受講中は、訓練校側が4週毎の失業認定手続きを代行してくれる。
(受講中の失業認定においては、求職活動実績を必要としません)
C受講手当(日額500円。平成21年3月31から平成24年3月31日までは日額700円)、通所手当(交通費のこと。支給には諸条件があります)が支給される。なお受講手当と通所手当を合わせて技能習得手当と言います。
根拠:雇用保険法36条、同施行規則56条、附則他
D場合により寄宿手当(月額10,700円)が支給される。
根拠:雇用保険法36条、同施行規則60条他

これでもかというぐらい良いことだらけですが、特にAがすごいです。1年間の職業訓練を受ければ1年間、2年間であれば2年間、生活資金として失業給付を得ながら勉強を続けることができます。知らないとかなりもったいない制度です。

<参考>法令上は「公共職業訓練を受け終わってもなお就職が相当程度に困難な者であると認めたものについては、30日を限度として、基本手当の給付を延長することができる」という訓練終了後給付に関する規定もありますが(雇用保険法24条2項、同施行令5条)、実際に適用されることはほとんど無いようです。ですので、訓練延長給付はあくまで訓練終了日までと思って下さい。




失業給付(基本手当)の金額としくみ



失業給付(基本手当)について具体的に触れます。

既に失業給付を受給している方や、詳細に給付金額や日数を計算された方には不要な内容ですが、会社を辞めようと具体的に考え始めた時、まず気になることの一つに“失業給付をどれだけの金額、期間"受給できるのか?”という点があると思います。

切実な問題なのですが、どうにもわかりにくい、ハローワークへ聞くにしても。。という面があると思います。詳細は厚生労働省等のサイトに記載されてはいるのですが、うんざりする方もいらっしゃることでしょう。。

失業給付の金額や日数は、やはり図や表を見ながらポイントを押さえるのがわかりやすいです。

失業給付の給付額は年齢と離職前6ヶ月の賃金で決まる

失業給付の一日あたりの金額(基本手当日額)は、離職時の年齢と、離職前6ヶ月間の賃金総額(ボーナスは除く)によって決まります。

ポイントとなる表をざっと見てしまいましょう。離職前の賃金から算出される賃金日額に、さらに所定の給付率を掛けることにより、基本手当日額が算出されます。この基本手当日額が受給できる金額です。下表は平成23年8月1日から平成24年7月31日まで適用される数字です。

H23-H24.jpg

(平成22年8月1日 - 平成23年7月31日適用金額と計算式はこちら)

あれ?こんなに少ないの!?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。はい少ないです;かつてより大幅に減額されています。(在職時に高賃金を得ていた方は、すぐに上限額にひっかかるため、それまでの賃金の半分すら貰えません)

  関連記事>>失業給付金額の年度推移

まずは離職前に得ていた給与をもとに、賃金日額をきっちり計算して下さい。
賃金日額がその後の計算の基準になります。

  賃金日額=離職前6ヶ月間の賃金総額(ボーナスは除く)÷180
  税金や保険料を控除する前の額面金額で計算します。

賃金総額には交通費や残業代、住宅手当等の各種手当が全て含まれますが、ボーナス・退職金は含まれません。
  
次に肝心の基本手当日額の計算式です。上表と合わせご参照下さい。

  給付率50%〜80%部分の計算式
  Y=(−3W+70,910)W ÷71,200
  (Y=基本手当日額、W=賃金日額、1円未満切り捨て)

  給付率45%〜80%部分の計算式
  Y=(−7W+127,750)W ÷119,000 あるいは
  Y=0.05W+4,240 のいずれか低い方の額
  (Y=基本手当日額、W=賃金日額、1円未満切り捨て)

参考:雇用保険制度
参考:雇用保険の基本手当日額等の変更について




失業給付(基本手当)の日数



失業給付の給付日数は離職理由と被保険者期間で決まる

一般の離職者(自己都合等による離職)の場合、失業給付の給付日数は雇用保険の被保険者期間のみで決まります。
特定受給資格者や就職困難者の場合は、更に年齢によって異なってきます。

基本手当給付日数

日数は土曜日・日曜日・祝日等も全て含めてカウントします。

※給付制限について

倒産・解雇など離職を余儀なくされた特定受給資格者である場合は、すぐに失業給付を受けることができますが、自己都合等の一般離職者の場合、初めに3ヶ月間の給付制限があり、この3ヶ月間は1円も受給することができません。上表で給付日数が120日であれば、3ヶ月後から120日間受給できることになります。
(厳密には7日間の待機期間がありますし、すぐに離職票を入手できず受給資格の決定が遅れた等の個別事情も生じ得ますので、きっちり3ヶ月後から受給できるわけではありません)

なおこの給付制限は、公共職業訓練を受ける場合は解除され、自己都合退職の場合でも、公共職業訓練受講と同時にすぐ失業給付を受給することができます。


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